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横浜みなとみらいパーソナルジム 記事まとめpart70

2019/05/11
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○熱生産の仕組み②

日常生活で重要な役割を果たしている遅筋線維はエコにつくられている。



運動をしなくても熱を発生させるタンパク質褐色脂肪組織や筋肉が熱を出すための仕組みに関わっているタンパク質が、10年ほど前に発見されました。



熱に関する研究に大きな影響を与えたそれは、ミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP)というものです。



少し専門的な説明をすると、UCPは細胞内のミトコンドリアの中に存在し、脂肪のエネルギーを分解する反応系とATP (アデノシン三リン酸)を合成するシステムとのつながりをカットしてしまうという特徴があります。すると何が起こるか。



脂肪を分解して得られたエネルギーがAT Pを作ることなく、熱になって逃げてしまいます。運動をしなくても、身体から熱が発生するのです。



前回の記事でお伝えした「非震え熱生産」ですね。



UCPは人の遺伝子には多型(遺伝子を構成しているDNAの個体差)があり、ヒトの場合、正常なUCPを問題なく作れる人と作れない人とがいることもわかりました。



しかも、作れない人が日本人では約20 %もいるのです。



正常なUCP1が作れないとどうなるかというと、熱を作る能力が低くなる。



つまり、低体温や冷え性といった症状になりやすいわけです。



また,熱を作れない分だけ全体のエネルギー生産も落ちてくるので、1日当たりの消費カロリーで換算すると5㎏ほどに相当しますが100kcalほど少なくなります。



たかが100 kcalと思うかもしれませんが、10日なら1000kcal、365日なら36500kcalになります。   



つまり,同じ食事を1年間続け、同じように活動していた場合, UCP1を作れる人に比べ作れない人は5㎏太ってしまうということになります。



ですから、UCP1は体質に関わるタンパク質であるともいえ、正常なUCP1が作れない人は、いわゆる「太りやすい体質」ということになります。





現在は、肥満外来で正常なUCP1を作れる遺伝子をもっているかどうかを調べて貰えます。



もし、うまく作れない遺伝子のタイプだとわかった場合は、食生活を見直したり、運動の習慣をつけたりする必要があるかもしれません。



○熱生産の主役は筋肉の中にあった

筋肉にも同じ性質のタンパク質があることがわかりました。



これは3番目に見つかったUCPなのUCP3〈スリー と呼ばれ、やはり筋肉の活動なしで熱を生み出します。〉





筋肉は褐色脂肪よりも小さくなりますが、筋肉そのも全体で見るとよりたくさんの熱を発生していると推測すると1g当たりの熱の生産量で比較すると、その量が褐色脂肪よりはるかに多いです。



ということで、UCP3が発見されてから、褐色脂肪よりも筋肉への注目度が高くなってきています。



また, UCP3は遅筋線維より、速筋線維のほうに多く含まれていることもわかりました。



ただ、速筋中の速筋であるタイプⅡ xにはミトコンドリア自体が少ないので、タイプaが非震え熱生産の主役だということになってきたのです。



遅筋線維にもミトコンドリアは多く含まれていますが、UCP3が少ないので熱の生産は大きくありません。



遅筋線維には小さな力発揮を持続的に長時間行わなければならない使命があるので、無駄に熱を出してしまってはエネルギーの浪費につながるからですね。



日常生活で重要な役割を果たしている遅筋線維は、エコにつくられているといえます。





本日もご観覧頂きありがとうございました。